バイオガスの高度利用に向けた取り組み

2023年9月25日

北海道経済部「ゼロカーボンイノベーション導入支援事業」に採択されました。

北海道経済部が公募した「ゼロカーボン・イノベーション導入支援事業」に「興部カーボンニュートラルイノベーション事業」を応募し、採択されましたのでお知らせいたします。
「興部カーボンニュートラルイノベーション事業」は、これまで大阪大学と共同研究をおこなってきた、バイオガス の常温・常圧下でのメタノール/ギ酸の変換技術を加速させる取り組みであり、今までの研究をもとに連続製造装置を興部北興バイオガスプラント内に実装し、同時にギ酸の農業用還元、地産地消を目指すものです。
興部町と大阪大学に加え、岩田地崎建設株式会社(本社:北海道札幌市)と株式会社MORESCO(本社:兵庫県神戸市)の4 者によりコンソーシアムを設立し、共同で事業を推進します。

詳しくは添付資料をご覧ください。

2022年5月26日

バイオガスからメタノールとギ酸を製造する光化学プラントの実用化に向けた、パイロットプラントの竣工式を実施しました。

竣工式
竣工式の様子(興部北興バイオガスプラント)
 大阪大学(学長:西尾 章治郎)、北海道興部町(町長:硲 一寿)、エア・ウォーター北海道株式会社(代表取締役社長:加藤 保宣)と、岩田地崎建設株式会社(代表取締役社長:岩田 圭剛)は2021年2月に4者連携協定を締結し、「バイオガスからメタノール・ギ酸を製造する光化学プラントの実用化に向けた開発」に関して、興部北興バイオガスプラント敷地内にパイロットプラントを建設し、5/26(木曜日)に竣工式を行いましたのでお知らせします。

パイロットプラント開発の経緯

パイロットプラント
メタン酸化技術開発研究棟
事業化に向け、2021年2月には本技術を保有する国立大学法人大阪大学、研究フィールドを提供する北海道興部町に加え、技術の開発と光化学パイロットプラントの構築に向けてエア・ウォーター北海道株式会社、岩田地崎建設株式会社の民間2社が参画した4者の連携協定を締結し、産官学4者の強力な体制のもと検討を続けてきました。2021年4月からは、より具体的な研究開発の実施と、ラボ装置をスケールアップしたパイロットプラントの設計および構築を目的とし、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発委託事業「NEDO先導研究プログラム/畜産系バイオガスのメタノール・ギ酸変換技術の開発」を4者共同で実施しています。
各者はそれぞれ、バイオガスの光酸化反応システムの構築に関しては大阪大学および興部町、スケールアップしたパイロットプラント建設に関してはエア・ウォーター北海道株式会社、パイロットプラントに適した研究棟の構築および排液リサイクルシステムの構築に関しては岩田地崎建設株式会社が担当しております。2021年度は各者が上記担当項目を実施し、興部北興バイオガスプラント敷地内に「メタン酸化技術開発研究棟」を構築いたしました。パイロットプラント本体は、内容量が約1m3(1,000L)となる「反応槽」を軸として、既存の興部北興バイオガスプラントで発生するバイオガスを原料にバイオメタノール、およびバイオギ酸に変換するフローを設置しました。これにより、世界初の畜産由来原料を用いたメタンの光化学パイロットプラントを構築しています。

2021年2月9日

バイオガスからメタノール・ギ酸を製造するプラントの開発に向けて連携協定を締結しました。

協定締結式
4者連携協定締結式(2021年2月9日)
興部町(町長 硲 一寿)と大阪大学(学長 西尾 章治郎)は、2019年6月26日にメタン酸化技術開発連携協定を締結し、興部町にある興部北興バイオガスプラント及びオホーツク農業科学研究センターにて協議、試験を重ねてまいりましたが、この度新たにエア・ウォーター北海道株式会社(代表取締役社長 北川 裕二)と岩田地崎建設株式会社(代表取締役社長 岩田 圭剛)の民間企業2社を加え連携協定を締結しましたのでお知らせいたします。

連携協定の背景

2019 年には大阪大学と興部町の間で2 者連携協定を締結し、家畜ふん尿から生産されるバイオガスを液体燃料に変換する技術開発を共同で推進し、1 年間の研究開発を経て、バイオ由来のメタノールとギ酸を得ることに世界で初めて成功しています。
この技術を用いた事業化に向けて、エネルギー地産地消型小型乾式バイオガスプラントの開発に成功するなど、豊富なバイオガスコンサル・プラントの設計・施工実績を有するエア・ウォーター北海道株式会社が、光化学パイロットプラントの設計およびシステムの最適化を担当。岩田地崎建設株式会社は、北海道内のバイオガスプラントの上屋設計および建設、研究開発の実績を生かし、反応へ与える環境条件を考慮したパイロットプラントの上屋設計に関する研究を担当し、バイオガス由来のメタノール・ギ酸の製造研究に4者で取り組みます。

詳しくは、添付の【プレスリリース】資料をご覧ください。

2020年7月15日

バイオガスからメタノールとギ酸の製造に世界で初めて成功!

興部北興バイオガスプラント
町営の興部北興バイオガスプラント
北海道興部町(町長:硲  一寿)と 大阪大学先導的学際研究機構(機構長:尾上 孝雄)は、バイオガスの有効活用技術の開発を目指して2019年6月26日に連携協定を締結し、興部町の興部北興バイオガスプラント及びオホーツク農業科学研究センターにて協議・試験を重ねてきましたが、このたび家畜ふん尿由来のバイオガスからメタノールとギ酸の製造に世界で初めて成功しましたので、お知らせします。

共同研究の背景

興部町は平成26年のバイオマス産業都市に認定されて以降、町営の興部北興バイオガスプラント(平成28年11月竣工)において、バイオマス資源の有効活用に関する研究を重ねてまいりました。町には本施設のほか2基の民間バイオガスプラントが稼働しており、町内家畜ふん尿の約20%のメタン発酵処理を行っています。メタン発酵の際に発生するバイオガスは発電機の燃料として利用し売電事業を行っていますが、それ以外の活用方法について可能性の模索をしていたところ、バイオガス中のメタンを有用な化学物質であるメタノール・ギ酸に常温常圧で変換する技術が存在することを確認し、大阪大学と数回にわたる協議のうえ技術開発に関する連携協定を締結するに至りました。

共同研究の過程

2019年6月に連携協定を締結したのち、大阪大学と興部町双方で基礎研究を重ねてまいりました。興部町での研究は、町の研究機関であるオホーツク農業科学研究センターと共同で、実際に興部北興バイオガスプラントで発生したバイオガスを採取し、反応試験を繰り返し実施してまいりました。
2020年1月にバイオガスからメタノール・ギ酸の製造に初めて成功し、その後数回の実証実験を重ね今回の発表に至りました。
詳しくは、添付の【プレスリリース】資料をご覧ください。

2019年6月26日

本日,北海道興部町(町長:硲 一寿,以下「興部町」)と 大阪大学先導的学際研究機構(機構長:八木 康史,以下「大阪大学」)は,バイオマス事業における連携協定を締結しましたので,お知らせします。

協定名称

「北海道興部町と国立大学法人大阪大学先導的学際研究機構とのバイオガスプラントにおけるバイオガスの酸化技術開発に関する連携協定」

目的

バイオガスからメタノール・ギ酸を製造する技術の開発並びに実用化検討

概要

  • 大阪大学大久保敬教授らの研究グループが開発した、メタンガスを液体燃料のメタノールとギ酸へ変換する技術を用いて、バイオガスからメタノールを製造する技術の開発並びに実用化検討を共同で実施。
  • 乳用牛などの家畜ふん尿から得られるバイオガス中に含まれるメタンガスを、二酸化塩素を反応剤とすることで常温・常圧で有用化学物質へ変換する技術開発を共同で推進。
  • 興部町では、町営の興部北興バイオガスプラントにて乳牛の飼料生産に必要な肥料となる「消化液」の製造をおこなっていますが、製造過程で発生するバイオガスから得られるメタンガスをガス発電しています。バイオガスプラント普及のため売電以外の方法による事業化検討が必要であり、バイオガスの新規有効利用方法を模索していました。
  • 興部北興バイオガスプラントで実証試験を開始。興部町が目指す「バイオマス産業都市」実現へ向け大きく前進。
  • この技術が確立されれば、興部北興バイオガスプラントでは年間で約80トンのメタノールと400トンのギ酸が得られる試算であり、メタノールによる災害時エネルギー活用や、乳牛の飼料(サイレージ)生産に必要なギ酸の自給自足が可能となります。 
以上

問合わせ先・担当窓口

まちづくり推進課 バイオエネルギー推進係

住所

〒098-1692 北海道紋別郡興部町字興部710番地(興部町旭町)

電話
0158-82-2132(内線323)
ファックス
0158-82-2990