北海道大学大学院工学研究院と共同研究

北海道大学大学院工学研究院と地域脱炭素実現に向けた共同研究契約を締結しました。

概要

 北海道紋別郡興部町(以下、興部町)と国立大学法人北海道大学大学院工学研究院(以下、工学研究院)は 2022 年 4 月 19 日に、地域脱炭素に向けた共同研究契約を締結いたしました。本共同研究契約は、工学研究院が開設する寄附分野「バイオマスコミュニティプランニング分野(以下、Bio-com.P)」を研究主体とし、興部町は同寄附分野のオブザーバーとして参加します。カーボンニュートラル社会実現に向けた取り組みが加速する中、地域特性を考慮した脱炭素の取り組みを共同で推進するものです。 

プロジェクトに至った経緯

 2020 年の国のカーボンニュートラル宣言以降、今までにない勢いで 2050 年カーボンニュートラルに向けた動きが加速しています。北海道においても 2013 年度に対比して温室効果ガスの削減を 48%とする高みを目指した目標を掲げ、「ゼロカーボン北海道」と銘打って取り組みを先導しています。
脱石油を意味するゼロカーボンを達成するには、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの普及などのハード整備のみではなく、地域の実情にあった取り組みを進めていくことが重要であり、地域全体で取り組むことが必要です。
計画作りから実行までオール興部町で進めるためのシステムづくりを北海道大学と共同で進めていき、興部町らしい地域脱炭素・まちづくりを進めていきます。
このような、地域の実情に合わせたボトムアップ型の脱炭素まちづくり推進は例がなく、「ゼロカーボン北海道」推進への貢献に期待されます。

共同研究の内容

(1) 興部町の地域を反映した炭素排出量・固定量の把握
脱炭素=炭素排出量ー炭素固定量であり、一般的な GHG 排出量算定ツールでは量れない部分が存在します。より地域の実態に即した炭素の排出量及び固定量を、科学的知見に基づいて客観的に評価・実態の把握を行うため、興部町をフィールドとし調査を行います。
(2) 住民主体(ボトムアップ型)脱炭素計画
脱炭素を達成するためには、住民の行動様式の変化が重要となります。それぞれの産業やコミュニティの意見を反映した計画作りを目指します。そのため役場職員をはじめ、住民向けの勉強会を知識・経験・議論の場として実施するとともに。計画にフィードバックする仕組みの構築を行います。



北海道大学寄付分野について

 北海道大学寄附分野は 2003 年度開始の「バイオリサイクル工学講座」から始まり、廃棄物の二面性の観点からリサイクル・適正処理についての研究を進めてきました。2015 年度から始まった「循環・エネルギー技術システム分野」からは、地域における資源循環やエネルギー循環など「地域の価値」について研究を進め、現在のバイオマスコミュニティプランニング分野に至っております。
 バイオマスコミュニティプランニング分野では、廃棄物等およびバイオマス資源の循環・エネルギー利用を通じて、持続可能な地域コミュニティを計画するための技術・ 社会システムを、産官学の連携で開発し提案することを目的とし、2018 年度に第 1 期を開設。2021 年度〜2025年度を第 2 期とし、興部町プロジェクトをはじめ社会実装に向けた様々な取り組みを進めております。

客 員 教 授:古市 徹
特 任 助 教:落合 知
寄 附 会 社:計 13 社
オブザーバー:北海道庁、興部町をはじめ9団体
世 話 役:北海道大学大学院工学研究院 循環共生システム研究室 教授 石井 一英
(2022 年 5 月現在)

問合わせ先・担当窓口

まちづくり推進課 バイオエネルギー推進係

住所

〒098-1692 北海道紋別郡興部町字興部710番地(興部町旭町)

電話
0158-82-2132(内線323)
ファックス
0158-82-2990

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